シリウス宇宙句会 作品集

 

  第454回 作品集

(1月15日更新)


この中より5句選句してください


A01 初雀光あふるるカフェテラス
A02 電線に留まり此方みる初雀
A03 アシカショーの歓声よそに初雀
A04 しののめや声清らかに初雀
A05 初雀こぼれぬやうに並びたる
A06 氏神のお百度石に初雀
A07 今朝さらに羽音弾める初雀
A08 一羽来て次いで二羽来る初雀
A09 窓近く枝先に鳴く初雀
A10 家々に鳴き声こぼす初雀
A11 暁光に金の羽を搏つ初雀
A12 万葉の庭に遊べる初雀
A13 三羽来ていつしか群るる初雀
A14 産土の宮で手鞠を買ひにけり
A15 常よりも声艶めける初雀
A16 初雀小川に沿ふて子の駆くる
A17 屋敷神首傾げゐる初雀
A18 市役所の屋上周り初雀
A19 白砂の箒目乱す初雀
A20 一羽来て数羽続ける初雀
A21 見てみてと手鞠つく子や母のもと
A22 神苑に啄む二羽の初雀
A23 東塔の裳階にはづむ初雀
A24 鳴かぬ日は天気の荒るる初雀
A25 朝日差す斎垣に弾む初雀
A26 初雀母も迎へて膳囲む
A27 毬のごととんとん弾む初雀
A28 金春の発祥の碑や初雀
A29 よきこゑを庭にこぼせる初雀
A30 餌を撒けば飛んで来る来る初雀
A31 白湯を飲む明けの窓辺へ初雀
A32 まろき樹にまろく群れゐる初雀
A33 初雀入り乱れつつ啄める
A34 箒目の砂に弾める初雀
B01 手毬唄つけつぱなしのラジオより
B02 陳列の手毬昭和の路地をふと
B03 孫三人唄ふは肥後の手毬唄
B04 忘れてはハミングとなる手毬歌
B05 何処からかビブラート良き手毬唄
B06 手毬唄お国なまりの懐かしく
B07 幼子のとつとつ歌ひ手毬つく
B08 てんてんと路地に響くや手毬歌
B09 薄明の手摺に一羽初雀
B10 島の子に潮風とどく手毬唄
B11 飾り棚の手毬子ら来て蹴りあひぬ
B12 スマホ見る子ら手毬唄知りもせず
B13 思ひ出す今は昔の手毬唄
B14 ダム底に沈むべき村手毬唄
B15 手鞠唄声も心も弾みけり
B16 手毬つく紺のスカート翻し
B17 手鞠あり笑みの溢るる遺影まへ
B18 途切れてはまた元気よく手毬唄
B19 初に聞く戦争時代の手毬唄
B20 日の中の幼や二羽の初雀
B21 色美しき母手作りの手毬かな
B22 手まり唄幾たびも動画懐かしむ
B23 手毬唄きこゆる古都の通り庭
B24 子供部屋に色褪せ萎む手毬かな
B25 手を逸れし毬に終はりし手毬唄
B26 そはそはと順番を待つ手毬唄
B27 兄弟で目を閉じ母の手毬唄
B28 手毬唄口遊む子に日のやはし
B29 続けたるさびに合せて手毬つく
B30 子供には広き境内手毬唄
B31 妹が肌身離さぬ手鞠ふと
B32 まるたけゑびすあとはしどもど手鞠唄
B33 目をつむり祖母の歌ひし手毬唄
B34 最後にはスカートの中手毬唄
C01 久々にはらから集ひ初写真
C02 初凪や海に遥けく伯耆富士
C03 有田むきでけふも蜜柑を二個食ひぬ
C04 書初やほぐす筆の穂柔らかく
C05 仰ぎ見る宇宙は近し年新た
C06 雪晴やさて一斉にシャベル持ち
C07 嫋やかに風を去なせる枯尾花
C08 奥多摩に残る古民家鳥総松
C09 卓広く使ひて一人節料理
C10 一つまた年若返る初詣
C11 空中にちよんかけごまを操れり
C12 小春日や病なきごと妻眠る
C13 花手水の隙間を埋むる蝉氷
C14 枝に来てしきり尾を振る冬の鵙
C15 人日や千代紙で折る松竹梅
C16 車両基地飛び立ちたるは初雀
C17 靄がかる大和三山初御空
C18 初春のご酒に曼陀羅回りけり
C19 街騒も鳥声もなく寒に入る
C20 大漁旗なびく歳初の漕出式
C21 今年また母の名で書くお年玉
C22 猫の尾に手毬転がしあそびけり
C23 七草はフリーズドライ粥を炊く
C24 初電車スマホ繰る人眠る人
C25 払暁の庭初雪に心清し
C26 道場の竹刀の音や寒稽古
C27 青美しき鳥追うて行く冬日向
C28 買初の財布に賜ばる吉神籤
C29 晴れ晴れといつもの山の初景色
C30 葉の色も艶めいて居る実千両
C31 歌麿もモネもゴッホも淑気満つ
C32 録り溜めし大河見てゐる三が日
C33 炊立ての湯気に割りたる寒卵
C34 ふんはりと落ちて固まる六花