第389回 披講 得点作品
※投句は新作未発表作品に限ります
13点
今村美智子・岡山 裕美・船木小夜美・三澤 福泉・糟谷 倫子・大木雄二郎・人見 洋子
明日来るよく笑ふ子の蒲団干す 上西美枝子
12点
香椎みつゑ・島津 康弘・瀧下しげり・渡邉眞知子・松本 葉子・長浜 保夫・窪田 季男・志々見久美
横たへし杖も憩へる小春かな 船木小夜美
11点
藤田 壽穂・原田千寿子・北田 啓子・髙橋美智子・新倉 眞理・渡邊 房子・木原 圭子・長岡 静子・佐々木一夫
神楽舞ふ農夫の太き手のさばき 太田美代子
農夫・言い換え対象用語です
10点
上西美枝子・武田 風雲・髙橋 佳子・溝田 又男・髙橋 保博
病む妻と手を取り合ひて日向ぼこ うすい明笛
9点
原 茂美・宇野 晴美・鎌田 利弘・佐々木慶子・土屋 順子・中尾 礼子
わだつみのひかり浴びつつ帰燕かな 吉沢ふう子
伊津野 均・谷野由紀子・宮永 順子・平橋 道子・上和田玲子
地球儀の埃を拭ふ文化の日 吉井 陽子
6点
乾 厚子・小薮 艶子・山内 英子・野村よし子・青木 豊江
耳塚に鴉鳴きゐる寒さかな 五味 和代
酒井多加子・浅川 悦子・小見 千穂・山本 創一
石垣に猫の居座る四温かな コダマヒデキ
浅川加代子・冨安トシ子・吉沢ふう子・宮田かず子
静けさに紅葉且つ散る寂光院 福長 まり
小山 禎子・寺岡 青甫・村川美智子
羽衣のシテの摺り足冬めきぬ 田中 幸子
今村 雅史・穂積 鈴女
たくあんの歯切れの響き今朝の冬 田中まさ惠
田中 愛子・星私 虎亮
ぼやきつつ話の尽きぬおでん酒 土屋 順子
5点
角野 京子・川口 恭子・五味 和代・岡田 寛子・野村 絢子
牡丹鍋陛下の写真ある座敷 光本 弥観
大塚 章子・住田うしほ・冨士原康子・太田美代子
初氷煌めき合へる千枚田 杉浦 正夫
野添 優子・片上 節子
切りのよき値切る競り合ひ三の酉 今村 雅史
松本 英乃・髙松眞知子
欲絶てば心にゆとり吾亦紅 深川 隆正
4点
松井 春雄・吉井 陽子・金子 良子
柿吊りて陋屋の軒華やげり 吉村 征子
越智 勝利・近藤登美子
青空や冬三日月の白く透け 上和田玲子
板倉 年江・水谷 道子
一人来て墓石に語る小春かな 中尾 礼子
児島 昌子・井上 妙子
冬うらら花札興ず義母百寿 鎌田 利弘
三代川次郎・中野 尚志
濃淡をまとひて山の眠りけり 浜野 明美
大澤 朝子・米田 幸子
新走り献上樽の天狗の絵 髙橋美智子
櫻井眞砂子
神の留守祠支ふる心張捧 木村てる代
松本すみえ
通勤の妊婦マークや冬うらら 岡田 寛子
髙松美智子
八十路へと向ふ摺り足冬の翳 志々見久美
荒々と瀬頭とがる冬の川 小林伊久子
3点
杉浦 正夫・関口 ふじ・三原 満江
親鸞忌雲のゆたけき京街道 田中 愛子
うすい明笛・中田美智子・コダマヒデキ
柿熟るる空き家は鳥の遊びの場 杉村 好子
岩橋 俊郎・竹中 敏子
小さき手で小さき蜜柑をひとつもつ 宮田かず子
井村 啓子・福原 正司
雲に友の面影浮かぶ阪神忌 奥本 七朗
田中よりこ・田中せつ子
酒肆跡に土倉の名残紅葉散る 中尾 謙三
渡部 芋丸
新札を選り分けてゐる冬至かな 松本 英乃
春名あけみ
ひもろぎに宿り大社へ神の旅 播广 義春
西山 厚生
石積みの明治の埠頭海しぐれ 原田千寿子
堀いちろう
アントニオ猪木亡き世の焚火かな 渡部 芋丸
中尾 光子
老いてなほお洒落こころや帰り花 竹中 敏子
竹村とく子
書きかけの文に文鎮律の風 川口 恭子
中尾 謙三
碇泊の豪華客船聖夜の灯 小薮 艶子
河原 まき
館寒し回天見詰めゐればなほ 井村 啓子
河井 浩志
須磨浦の灯右舷に冬の航 西山 厚生
山下 之久
異国語の歓声混じる紅葉狩 櫻井眞砂子
黄落の黄のひと色や御堂筋 宇野 晴美
しあわせはすぐそばにあり冬苺 大塚 章子
ラッパーの軽き呟き木の葉舞ふ 伊津野 均
菜箸で捕へられさう冬の蠅 星私 虎亮
秋遍路労り合ふて荷を下ろす 倉瀬 瑛子
2点
田中 幸子・髙木 哲也
顔見世や上目遣ひの女形 冨安トシ子
中川 晴美・福長 まり
水鳥の翔ちて朝明の日をこぼす 窪田 季男
奥本 七朗
木の実落つトトロ出そうな屋敷林 三澤 福泉
斎藤 摂子
とりどりの落葉掃きゐる夕ごころ 谷野由紀子
山口 直人
冬空へ鳩呼ぶ野辺のサキソフォン 伊藤たいら
播广 義春
小春日の海に煌めく波の綾 田中よりこ
深川 隆正
垂直に走る断層石蕗の花 福原 正司
布谷 仁美
奥座敷主のごとく箱火鉢 中尾 光子
中村 克久
そつと覗く寒灯漏るる子の部屋を 松井 春雄
遠藤 玲
身にしむや自刃の塚の奥昏し 木原 圭子
中谷恵美子
時雨るるや山里の灯を煙らせて 横田 恵
川尻 節子
初冬や喪中葉書に一句添ふ 榎原 洋子
行く年を昭和の暦で数へけり 岩橋 俊郎
冬来る老いもいよいよ難儀やな 斎藤 摂子
尼寺の静けき庭や紅葉散る 武田 風雲
1点
野田 千惠
床に就き俳句を捻る文化の日 西岡みきを
林 雅彦
僧の影ちらりと広間白障子 平橋 道子
宇利 和代
軒下に光る五つの吊し柿 川尻 節子
越智千代子
冬に入る妻の手術に主夫を知る 住田うしほ
榎原 洋子
冬萌や白歯こぼるる生八ヶ月 中村 克久
藤原 俊朗
山茶花の散り敷く土に雨降り来 宇利 和代
竹内美登里
生垣の茶の花香る峡の村 原 茂美
山﨑 尚子
城跡に風得て帰り花ひそと 髙松美智子
田中まさ惠
パトロールカー過ぎ蓑虫のぶらりかな 越智千代子
瀬崎こまち
布団出せばパリの貧しきキュリーふと 小見 千穂
西岡みきを
鯛焼や湯気の向かうに妻の顔 春名あけみ
浜野 明美
ブランド着る卒寿の媼冬うらら 遠藤 玲
小澤 巌
あいの風手足を伸ばす露天風呂 寺岡 青甫
阿武山の時雨に眠る貴人かな 角野 京子
白菜を桶にしきつめ石一つ 冨士原康子
柿落葉違ふ模様も美しき 小澤 巌
しろがねの光を返す実紫 香椎みつゑ
悪口は必ず伝ふ草虱 越智 勝利
寒晴の水さらさらと河童淵 糟谷 倫子
槍を持ち芸妓も時代祭かな 新倉 眞理
かいつむり雲を崩して水輪かな 青木 豊江
玄関に欠伸する猫秋麗 田中せつ子
百余人の同窓会や冬ぬくし 山﨑 尚子
妻のメモ手に商店街や十二月 藤原 俊朗
聞き分けてホルン音色に集う鹿 水谷 道子
地響きの総合リレー鰯雲 松本 葉子
冬浅し小路をぬけてマカロン屋 金子 良子