俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。
ちょっとオシャレな自分史を作り上げるのが俳句の世界です。
誰にでもいつからでもはじめられる、これが俳句の大きな特徴です。
さあ、俳句を始めましょう。
・俳句は5・7・5で作る
・俳句には季語を1つだけ入れる
(季語は季寄せや歳時記で確認しましょう)
この二つの約束を覚えてさえいれば、俳句はどなたにでも作れます。
実際の作品例は、このホームページの作品欄をご覧下さい。作品に季語と簡単な解説をつけてあります。
以下、俳句を始めるための手順を紹介します。
なお、俳句を表記する場合は、
・俳句は1行で書く(3行などに分けて書かない)
・文字の間に空白(スペース)をいれず、詰めて書く
俳句は短い文章ですから、正しく表現していれば行を変えたり、空白を入れたりしなくても意味は確実に伝わります。そんなことで、分かち書きの必要がないのです。
1.小道具を準備しよう
筆記用具
鉛筆・シャープペンシル・ボールペン、消しゴムなどなど。ただし水性インクを使ったボールペンはお薦めできません。雨が降ってきたときなど、文字がにじんでしまって、せっかく作った俳句が判読不能になってしまうのです。
句帳
使いさしの手帳でかまわない。句ができたときのメモ用として使います。横書きの手帳でもメモをするときには縦書きに…。俳句は縦書きの世界なのです。
ノート
ノートは2・3冊用意しておきます。「自分の句用」「俳句に関する言葉とか、感動した句のメモ用」そして、句会に参加する時のメモ用です。いずれも使いさしのノートでかまいません。
字引
言葉の意味を知る、正しい文字を書く、というために中学生時代の国語字典を探し出します。これも本棚に眠っているもので十分です。
2.季語を覚えよう
俳句は季語というキーワードを使って作る文学。まずいくつかの季語を覚えましょう。
簡単にいいますと、季語は季節の言葉。難しくはありません。
春・夏・秋・冬・新年、これらがみんな季語です。夏休み・冬休みも季語ですし、それに一月・二月……十二月。一月は正月とも言いますが、これももちろん季語。季語は私たちの周りにたくさんあります。
ちょっと窓の外を見てください。桜は春の季語。ひまわりは夏、すすきとかもみじは秋、雪は冬。花見をするのは春、桜の花を見ることですね。桜を見ることを花見というように、単に花といえば桜を指します。月見は秋。
こんなことを考えますと、私たちは季語の中で生活しているようなものです。これらの季語を季節ごとにまとめて解説してあるのが歳時記(さいじき)とか、季寄せ(きよせ)です。
歳時記
季節の言葉である「季語」の解説書です。
新年・春・夏・秋・冬の5部に分けて解説し、1つの季語に5句とか10句の例句を添えてあります。この5つの部が一冊の本にまとめられているもの、別々の本になっているものがあります。花なら花だけを写真入りで紹介する「花の歳時記」とか、地方の特色を取り入れて編集された「ふるさと歳時記」のようなものもあります。ここではごく一般的な歳時記を紹介しておきます。
合本俳句歳時記 角川書店
新年・春・夏・秋・冬が一冊に収められています。1900円位
新歳時記 平井照敏編 河出書房
新年・春・夏・秋・冬が別々の本になっています。各々880円位
このほかたくさんの歳時記が出ています。
季寄せ
季語を簡単に説明し、1句または2句の例句を紹介してあります。
新年・春・夏・秋・冬が一冊に収められていますので、吟行(ぎんこう・俳句を詠みに山野や海浜に出かけること)時の携帯に便利です。
月別季寄せ 皆川盤水編 東京新聞出版局 1500円
がお薦めです。書店で取り寄せてもらってください。
3.とにかく作ってみよう
冒頭に書いたとおり、5・7・5で、季語を1ついれて作ります。
家の中でも、庭に出ても、あるいは近くの小川や商店街に出かけて、季節の言葉を探ってみましょう。
……あ、街角におもちゃ屋さんが開店した。コスモスをきれいに飾ってあるな…
コスモスを飾りおもちゃ屋開店す
立派な俳句となりました。ちゃんと5・7・5になっています。
そして季語はコスモス。この句を残しておけば、「俳句を始めたあの日、あのおもちゃ屋が開店したんだ…」といつまでも思い出に残ります。
俳句は長々と書いた日記よりも鮮明にその場のことを思い出させてくれます。
……おや、街路樹の上の方から虫の音がする。木の上でも虫が鳴くのか…
木の上で虫鳴いている夜更けかな
こうするとイッパシの俳句。鳴く虫が秋の季語です。
こんな具合に作ってみます。
4.季語と言葉遣いを確認しよう
俳句が出来たら、本当に季語かどうか確認しましょう。また季語と思っていないのに季語だったりすることもあります。
アヤシイと思う言葉が季語かどうか、これも確認しましょう。いずれも季寄せか、歳時記で確認します。
また言葉遣いが正しいかどうかも確認しましょう。このホームページのトップページに、「文語文法覚え」コンテンツがあります。そこで言葉遣いの基本について解説しておりますのでご覧になって下さい。
5.できた俳句を、投句(とうく)しよう
作品ができたら、それがどの程度の出来映えであるか、言い換えますと、どれだけ共感してもらえる作品であるかを確認したくなります。
新聞の俳句欄とか、俳句雑誌の募集に句を提出することを投句といいます。新聞でも俳句雑誌でも伊藤園の募集でも、思いきって投句してみましょう。
俳句結社「雲の峰」には、「誌上句会」という企画があり、句会に参加できなくても、誌上で句会を楽しむことができます。
またこのHPには「インターネット画面句会」があります。どうぞご参加ください。
6.俳句について少し詳しく勉強しよう
ホームページ内の「俳句詳説」をお読みください。俳句とは何か、俳句の楽しみからなど、初歩の方を対象にできるだけわかりやすく解説して参ります。
なお「雲の峰」は、初心の方が正しい俳句を楽しく学べる月刊俳誌です。見本誌をお送りします。
見本誌ご希望の方は こちら まで。