誌上句会

第403回  作品集

(2月1日 更新)

※会員専用です※

・投句される方は必ず選句してください。
・投句は未発表作品に限ります。
・特選、入選を各一句選び、本誌・巻末の用紙又はメールにて送付して下さい。

A01 押入れに母の遺せし毛糸玉
A02 丁寧に仏具を磨く年の暮
A03 身の丈に合ふ幸せやおでん煮る
A04 撫牛の角も隠るる冬帽子
A05 ささくれにネイルアートの冬至かな
A06 御祭警護の清き訛かな
A07 落葉掃く傍に寄り来る鳩を追ひ
A08 固辞するも杯を干さねば年越せず
A09 街路に積む銀杏落葉の大袋
A10 顔見せの目力つよく見得を切る
A11 冬のビル写してをりぬ潦
A12 信貴山や紅葉の中のそば処
A13 玉とつくもの皆愛し年の暮
A14 銀杏や黄葉映たる鳥の声
A15 置石に凭れて咲きぬ石蕗の花
A16 風吹くと園児声上ぐ木の実かな
A17 浅草の仲見世の赤去年今年
A18 白き比良そびらに鳰の浮き沈む
A19 住み旧りて田舎暮しや冬ぬくし
A20 ことごとく物忘れつつ年用意
A21 元日の旗竿に挿す金の玉
A22 晴天に銀杏散りゆく東大寺
A23 安らかな寝息に混ずる除夜の鐘
A24 これよりはゆつくり生くと日記買ふ
A25 凍鶴の二羽の間の遠からじ
A26 鋼鉄の街眠らざる寒月下
A27 しづり雪浴びつつ参る火伏せ神
A28 歯科出づる子にクリスマス菓子ギフト
A29 除夜の鐘僧侶綱持ち撞くを待つ
A30 時雨るるや何処にも行かぬ日の喜悦
B01 子供食堂へトナカイ急ぐ聖夜劇
B02 風もなく落葉しぐれの札所道
B03 良き事の数を見返る年の晩
B04 十とせなる証となれや日記買ふ
B05 短日の料亭跡に歌仙の碑
B06 龍天井に紅葉かつ散る萬福寺
B07 輪番の労いあとの円座かな
B08 忙しさも大詰めいよよ大三十日
B09 年の暮医師の忠告背に受けて
B10 浮雲の影のうつろふ枯木道
B11 歳時記のカバーを替ふる大晦日
B12 年惜しむ余白の多き句の手帳
B13 慎ましく矩を踰えずに年歩む
B14 冬暖か土偶の腰のくびれかな
B15 電飾の太き胴体冬木の芽
B16 皹のごつごつ母のにぎり飯
B17 元伊勢にゑまふ猿石宮小春
B18 菰巻や腰の小鎌が日を返す
B19 年用意寺苑に立つる赤き旗
B20 冬晴れの不増不減の池静か
B21 縄綯ふや祈る仕種をくりかへし
B22 神木の太き走り根石蕗の花
B23 着ぶくれて夫の忌日を寺詣
B24 こんもりとのぼる噴煙阿蘇小春
B25 枯木立切り絵の如き影を為す
B26 欄干に鷗びつしり冬日和
B27 冬里の柿食ふ小熊哀しかな
B28 ふるさとは更地となりぬ泡立草
B29 湯に放つ冬菜鮮やぐ青となり
B30 日の暮れてマントルピース炉の灯り
C01 年々と早まる寝起き大晦日
C02 鎮めよと熊の一文字年の暮
C03 冬服の見返しに皆ユニクロ印
C04 量り売りの蜂蜜を買ふ冬至かな
C05 泣かないと決めたる介護寒すばる
C06 重文の家や牛乳二本今朝の冬
C07 煮凝や丹波に古き藍木綿
C08 太郎月三郎の忌の近づきぬ
C09 首を振る赤べこめづる煤籠
C10 小春日や九九を言ひ合ふ姉妹
C11 子の数のぽち袋買ふ年用意
C12 まう一度引ゐて見やうか初御籤
C13 長き水脈曳きて水鳥すれ違ふ
C14 歩道過る雀軽やか小春空
C15 冬至晴れ生きる覚悟を新たにす
C16 リズミカルに冬の林道一万歩
C17 室咲の梅にやすらぎ受くる朝
C18 佇むや寝息静かに枯野原
C19 大暴れの蔓を剝がして年用意
C20 新年や健やか家族集りて
C21 快晴や故郷の川の氷面鏡
C22 木洩れ日を拾うて咲きぬ帰り花
C23 すれ違ふ観光客も着ぶくれて
C24 登園の自転車疾し着ぶくれて
C25 岩棚に氷柱の簾光りをり
C26 雑炊の湯気に馳走の卵割る
C27 一陽来復セールの帯を品定め
C28 煮凝や耳痛き事ぽつと言うふ
C29 いつもより少し小さく注連飾る
C30 寒禽の声鋭き城主自刃の地
D01 コーヒーのわく音のする冬の朝
D02 歌舞伎みし夜のマフラーゆつくりまく
D03 火事装束決まりし鬼平吉右衛門
D04 しのびよる老やめがねを替ふる秋
D05 初春や杓でいただく御香水
D06 家事合間テラスでこくり日向ぼこ
D07 冴ゆる夜や沖に漁火またたきぬ
D08 生垣の角のととのふ十二月
D09 清水の舞台色取る冬紅葉
D10 干柿の深き味はひ遠きふるさと
D11 焼藷の匂ふ畑に子らの声
D12 この年も姉のにをいのセーターを
D13 美作の七曲りして秋峠
D14 紅葉愛でまた紅葉愛づきりもなや
D15 一人住ひ今年一年惜しみけり
D16 デパートに盲導犬のゐる師走
D17 朝明けの木末に飛べる初雀
D18 日短を母と言ひ合ふ長電話
D19 しがら柵に寒鴉鳴き継ぐ日和かな
D20 寒紅の人の一言座を締むる
D21 田見舞の帽子に結はふ頰被
D22 義士の日やサーカスも来て賑やかに
D23 隣家また空き家となりぬ寒鴉
D24 赤人の遊びし野原すみれ摘む
D25 航跡の一路かがよふ冬落暉
D26 のつぺ煮に奈良のぬくもり賜りぬ
D27 ゆらりゆらり川辺を靡く枯芒
D28 大熊手担ぐ翁へ打つ手締め
D29 草燃やす煙小春を乱しけり
D30 冬うらら街に無人の貸出本
E01 断捨離の本読み始む年の暮
E02 締切りで忙しと言ひて煤籠
E03 漆床に冬日を柔く火頭窓
E04 ビッグイシューを掲げ立つ人息白し
E05 落葉踏む音や匂や伊賀の山
E06 手仕事の記憶をたどる夜長かな
E07 落葉を重ね幼虫寝床作りをり
E08 今朝の春絆深めし電話口
E09 山の辺の葉生えゆたかに冬菜畑
E10 霜柱砕く一歩に地も応ふ
E11 三島忌や戦後生れも高齢者
E12 村時雨湾を越えゆくの高架橋
E13 夫の忌や光のかたき冬銀河
E14 黄を散らし微笑むが如石蕗の花
E15 年の瀬を仲間とゐる有馬記念
E16 乗ればすぐ席を賜りクリスマス
E17 有り難うと一行記して日記果つ
E18 竜の玉心に秘めしこと有りて
E19 純愛と言ひ切り妻に蜜柑剝く