シリウス宇宙句会 披講

 

 453回  披講

(1月15日更新)

 

<10点>
 三澤福泉・島津康弘・西岡みきを・谷野由紀子・伊藤月江・上西美枝子・板倉年江・瀧下しげり・五味和代・斎藤摂子

すぐ其処と云はれて遠し冬の暮       浜野 明美


<7点>
 小澤巖・三澤福泉・西岡みきを・板倉年江・藤原俊朗・浜野明美・今村雅史

みぞるるや阿蘇の大地に湯のけむり     原田千寿子

 小澤巖・住田うしほ・伊藤月江・上西美枝子・大塚章子・板倉年江・山内英子

尋ね来る人も無き日の寒さかな       木村てる代

 小澤巖・住田うしほ・木村てる代・田中よりこ・藤原俊朗・関口ふじ・中村克久

十二月八日静かに雲流る          うすい明笛


<6点>
 藤田壽穂・谷野由紀子・春名あけみ・上西美枝子・浜野明美・金子良子

競り市の子牛の背に霙降る         木村てる代

 島津康弘・原田千寿子・谷野由紀子・松井信弘・山内英子・日澤信行

みぞるるやシート囲いの焼鳥屋       中村 克久


<5点>
 小澤巖・木村てる代・原田千寿子・瀧下しげり・髙松美智子

呂と律の瀬音へ溶くるみぞれかな      角野 京子

 藤田壽穂・木村てる代・角野京子・田中よりこ・松井信弘

愛らしき采女地蔵や冬紅葉         谷野由紀子

<4点>
 うすい明笛・伊藤月江・角野京子・日澤信行

しんしんとみぞるる鄙の杉木立       中川 晴美

 うすい明笛・瀧下しげり・板倉年江・日澤信行

一人居の人声聞かぬ寒さかな        大塚 章子

 藤田壽穂・木村てる代・田中よりこ・松井信弘

灯の暗き廊下に潜む寒さかな        伊藤 月江

 藤田壽穂・うすい明笛・浜野明美・五味和代

猪鍋の湯気の彼方に高見山         角野 京子


<3点>
 角野京子・大塚章子・金子良子

子を待てば霙となりぬ夜の雨        田中よりこ

 田中よりこ・関口ふじ・星私虎亮

みぞるるや梢にやどる母子猿        島津 康弘

 春名あけみ・角野京子・瀧下しげり

討入りのドラマ始まる霙の夜        小澤  巖

 山下之久・星私虎亮・今村雅史

霙るるやラーメン店に長き列        髙松美智子

 住田うしほ・角野京子・金子良子

棘を抜く手元の迷ふ寒さかな        斎藤 摂子

 谷野由紀子・上西美枝子・今村雅史

吹きぬくる無人の駅の寒さかな       原田千寿子

 三澤福泉・瀧下しげり・山下之久

ぽつぽつと村里の灯や星冴ゆる       原田千寿子

 板倉年江・大塚章子・髙松美智子

日の濃さに黄金に光る冬田面        中川 晴美

 三澤福泉・うすい明笛・春名あけみ

冬ざれや野猫の群るる塵捨場        西岡みきを

 西岡みきを・大塚章子・浜野明美

熱の子に亡き母のごと葛湯練る       五味 和代

 西岡みきを・山下之久・中村克久

忙中も閑あり茶飲む師走かな        住田うしほ


<2点>
 小澤巖・山下之久

霙とも雨とも傘を広げけり         浜野 明美

 うすい明笛・谷野由紀子

同窓の友の声きくみぞれの夜        金子 良子

 五味和代・中村克久

生憎のみぞれとなりぬ旅の朝        春名あけみ

 金子良子・山内英子

前をゆく父の肩にも霙撥ぬ         今村 雅史

 藤田壽穂・松井信弘

霙うつ中を郵便バイクかな         山下 之久

 伊藤月江・大塚章子

北上の賢治の里に氷雨降る         住田うしほ

 島津康弘・今村雅史

静もれる摂社末社に霙ふる         上西美枝子

 木村てる代・髙松美智子

斑鳩の風に寒さの募りけり         瀧下しげり

 松井信弘・浜野明美

旅終へて入る我が家の寒さかな       うすい明笛

 西岡みきを・今村雅史

ビル風に押されよろめく寒苦かな      板倉 年江

 春名あけみ・山内英子

開拓碑の影の鋭き寒さかな         島津 康弘

 藤原俊朗・星私虎亮

大寺の本堂寒き法事かな          春名あけみ

 島津康弘・髙松美智子

根上がりにまた躓ける寒さかな       上西美枝子

 三澤福泉・田中よりこ

酌み交はす友なき夜の寒さかな       山下 之久

 住田うしほ・日澤信行

十二月電気鰻の動かざる          星私 虎亮

 原田千寿子・上西美枝子

牡丹粗朶燠となりても香しき        小澤  巖

 中村克久・星私虎亮

ルドルフの話せがまれゐる聖夜       朝妻  力

 藤原俊朗・金子良子

旅終わる海に大きく冬の虹         山内 英子


<1点>
 斎藤摂子

霙の夜電話をやめぬ里の姉         うすい明笛

 五味和代

けふもまた部屋籠りなり氷雨降る      伊藤 月江

 春名あけみ

みぞるるやタクシーの無き診察日      三澤 福泉

 斎藤摂子

行き暮れの山辺に降る霙かな        五味 和代

 伊藤月江

下北の霙るる浜に煙立つ          大塚 章子

 住田うしほ

みぞるるや大鷺じつと蘆の中        板倉 年江

 原田千寿子

通夜の家出で襟立つる寒さかな       小澤  巖

 関口ふじ

単線で電車待つ間の寒さかな        中村 克久

 斎藤摂子

喪はがきに友の死を知る寒さかな      中川 晴美

 山下之久

心なき答返さる寒さかな          田中よりこ

 藤原俊朗

無縁仏弔ふ僧の声寒し           五味 和代

 島津康弘

木の雨戸をがたぴしと繰る寒さかな     谷野由紀子

 五味和代

古里のたたらの里や風寒し         藤原 俊朗

 斎藤摂子

首手首足首隠す寒さかな          山内 英子

 日澤信行

寒菊の乱れ群れ立つ籬かな         瀧下しげり

 関口ふじ

冷やかして値切つて巡る酉の市       三澤 福泉

 星私虎亮

この谷に住む人はなし寒桜         島津 康弘

 原田千寿子

牡蠣啜る喉潮の香に勇躍す         髙松美智子

 山内英子

夕刊と寒気をともに連れ戻る        伊藤 月江

 関口ふじ

おそろひのブーツの菓子選る師走かな    金子 良子

 髙松美智子

かかり船一灯ともり冬の雨         春名あけみ

 中村克久

夢を追ふことはよきこと空小春       今村 雅史