他誌拝読 永沢 達明主宰「凧」8月号
「雲の峰」六月号 朝妻 力主宰
国静か雀の鉄砲びつしりと
明け方の町のどこかに猫の恋
小舟見て子ら見るだけの磯遊
春深し藤の挿頭の巫女三人
春深し坂下るにも息をつき
寄贈図書 工藤 泰子
佐藤 宗生顧問「遙照」八月号
夏草に宇陀の川幅定まりぬ 朝妻 力
芒種けふ一と日静けき雨を聞き 〃
人知れずぬぐふ汗こそたふとけれ 〃
心地よき心許なき夏蒲団 藤田 壽穂
春愁や憤怒あらはに不動尊 吉村 征子
焦げしるき四天王像灯の涼し 浅川加代子
春深し錆深々と七支刀 井村 啓子
拝受俳誌・諸家近詠 徳重 三恵
外山 安龍主宰「半夜」8月号
鏝絵の鶴飛び出しさうや春の風 長岡 静子
令和俳壇 角川書店「俳句」8月号
森田純一郎 佳作
転がして洗ふ木桶や春日和 深川 隆正
全山が城の要塞躑躅咲く 角野 京子
小林 貴子 佳作
空揚げも煮ても焼いても眼張かな 中尾 謙三
式神の影をおぼろに戻橋 小林伊久子
高野八葉全国俳句大会 令和七年
【応募句の部】
久保 純夫入選
逆縁をしばし伝へず雪柳 野村 絢子
鈴鹿 呂仁入選
今もなほ十戸の村や吊し柿 春名あけみ
谷口 智行入選
古代魚のフィギュアを書架に夏炉燃ゆ 酒井多加子
宮谷 昌代入選
今もなほ十戸の村や吊し柿 春名あけみ
戦争の話で終る昭和の日 上和田玲子
山田 佳乃入選
明日の米気づかふ母や花薺 野村 絢子
片山 綾子入選
雪柳風あるやうに挿されけり 志々見久美
山若葉若き谺のすぐ応ふ 志々見久美
川口 修入選
明日の米気づかふ母や花薺 野村 絢子
古梅 敏彦入選
戦争の話で終る昭和の日 上和田玲子
中島 走吟準特選
山若葉若き谺のすぐ応ふ 志々見久美
中島 走吟入選
草笛を旨さうに吹く翁かな 酒井多加子
中村 敏之入選
夫と義母不在の家やハルジオン 野村 絢子
本多 邁準特選
今もなほ十戸の村や吊し柿 春名あけみ
満田 三椒入選
堰越ゆる水の重奏ねこやなぎ 田中 愛子
山本はじむ特選
山若葉若き谺のすぐ応ふ 志々見久美
第三十五回鬼貫顕彰俳句大会 柿衞文庫
鬼貫賞 朝妻 力 入選
百合挿して巫女舞ふ大和一宮 田中 愛子
大神神社の三枝祭。三輪山に自生する笹百合を祭神に捧げます。行われるのは大神神社の摂社である率川神社です。
六甲に雨靄湧ける季春かな 酒井多加子
季春は晩春の副季語。気温も上がり大阪湾からの水蒸 気を含んだ風で靄の湧きやすくなる季節です。
当日句会 互選入選
夏惜しむジャズセッションの小樽の夜 酒井多加子
白壁に沿ひゆく流れ水葵 小薮 艶子
星めぐる夜にゆふすげの一花かな 香椎みつゑ
過去の鬼貫賞
第二十五回 平成二七年
酒蔵に斎く古井や梅の花 酒井多加子
第二十七回 平成二九年
カリヨンの一つ一つに雀の巣 大庭みつゑ
第三十回 令和二年
日輪に暈人類に春の疫 西田 洋
第三十二回 令和四年
朝顔が隣の庭へ咲きにゆく 志々見久美
第三十四回 令和六年
つばめ飛ぶ空をはみだしさうに飛ぶ 酒井多加子
ことばの花束 ハッピーFMいたみ
8月5日(月) 国引き神話
出雲風土記 八束水臣津野命が出雲を広げた
真相 当時海退期にあたり海が退き陸地が出来た
国引きの浜に良夜の波が寄す 小澤 巖
8月7日(水) 神武東征
鉄という武器を手にいれた磐余彦が大和を制圧した物語。
東大阪日下から入るが急な上り坂にて惨敗。長兄、五瀬命絶命。五瀬命曰く、東にむかって攻めたから負けた。磐余彦尊、東に向かうと負けるというトラウマになった。
東吉野から北進して宇陀に向かい、兄宇迦斯を籠絡した。
夏嶺背に今は静けき血原橋 岡田 潤
記紀の世の時空に浸る宇陀薄暑 冨安トシ子
8月9日(金) 国譲り
磐余彦大和に入って連戦連勝。だが、大国主命の本拠は三輪山の麓。東にむかって攻めねばならない。トラウマ
の磐余彦は壮大な神殿建立を条件に国譲りを申し出る。
大国主命は銅器。鉄と戦ったら負ける。渡りに船と受ける。出雲への帰路、銅器は不要と埋める→荒神谷遺跡
四列に並ぶ銅剣冬深し 浅川加代子
極月の日矢刺す荒神谷遺跡 笛吹 明男
●月刊「俳句界」 俳句上達の結社選びより
9月号
元号三つしかと生き抜き敬老日 伊藤たいら
金春流の里や稲穂の波の美し 瀧下しげり
うす闇を飛びかかりくるかまどうま 浅川 悦子
秋団扇大きく使ひ照れ隠す 神田しげこ
秋深し小さくひびく鈴一打 金子 良子
四人目の曽孫誕生待つ夜長 井上 妙子
新米の湯気沸き上がる茶碗かな 松島 知次
10月号
二単位の俳句講座や秋暑し 播广 義春
秋麗メタセコイアの並木道 岡山 裕美
子等去んで雲の散りゐる十三夜 大塚 章子
久々のたたらの里の刈田道 藤原 俊朗
裾からげ野萩の藪に分け入りぬ 遠藤 玲
鰯雲の下凜然と平城宮 長尾眞知子
父に歩を合はせ子規忌の法隆寺 岡田 潤
セクト・ポクリット コンゲツノハイク
堀切克洋氏ホームページ 7月
御田植祭一人相撲が神に負く 長岡 静子
軽き身をいよいよ軽く更衣 宇利 和代
早乙女が籠をふりふりおざや節 小山 禎子
帰り来て牡丹疲れの夕支度 渡邉眞知子
春深し乳牛と聞くモーツァルト 関口 ふじ
ででむしの乗る葉を残し庭手入れ 杉本 綾子
ゴールデンウィーク寝癖付きにけり 星私 虎亮
アンジュ俳句会 社会福祉法人庄清会
8月 指導 角野 京子
アイスクリン心安らぐ友といて 江草 孝子
夕餉時勝手に生えし紫蘇を摘む 加藤 邦子
七夕やいつもあなたはチャーミング 芝池フランク
猫撫でるソフトクリームとけるまで 高見 智子
緑蔭や坪庭にさえ鉢を据え 中谷 重美
コープより届く胡瓜でサラダかな 西岡久仁子
餡入りのアイス最中を母と分く 角野 京子