第397回 披講 得点作品
※投句は新作未発表作品に限ります
17点
酒井多加子・松井 春雄・宮永 順子・浅川 悦子・遠藤 玲・溝田 又男・山﨑 尚子・佐々木一夫
父の日や嫁が付き合ふ大吟醸 田中 幸子
14点
浅川加代子・杉浦 正夫・中川 晴美・香椎みつゑ・大澤 朝子・五味 和代・松本すみえ・西山 厚生・片上 節子
土屋 順子
一冊の一語に心置く芒種 松本 英乃
13点
船木小夜美・渡邉眞知子・越智 勝利・瀬崎こまち・渡邊 房子・大木雄二郎・林 雅彦・志々見久美・松本 英乃
コダマヒデキ
麦秋やゴツホの色の刈られゆく 村川美智子
10点
うすい明笛・小林伊久子・住田うしほ・田中よりこ・堀いちろう・三代川次郎・長岡 静子
六月の風に水の香草木の香 木原 圭子
中尾 謙三・野添 優子・髙松眞知子・野田 千惠・古谷 清子
尻もちをつく子や田植え体験日 西山 厚生
9点
井村 啓子・越智千代子・木原 圭子
自転車は傘寿の祝風薫る 原 茂美
三澤 福泉・小見 千穂・福原 正司
字にならぬ文字書く母や星祭 金子 良子
8点
武田 風雲・田中まさ惠・髙松美智子
夏草や陸軍墓地に無名の碑 山内 英子
山口 直人・中野 尚志
島を打つ波の穂まぶし花蜜柑 小澤 巖
7点
上西美枝子・吉井 陽子・関口 ふじ・岡田 寛子・野村 絢子・穂積 鈴女
経筒に道長公の銘涼し 小林伊久子
藤田 壽穂・木村てる代・中谷恵美子・竹内美登里・長浜 保夫
香具山を映す植田の水明り 横田 恵
6点
金子 良子・浜野 明美・野村よし子・近藤登美子
風鈴の風に沿ひゆく読経かな 船木小夜美
5点
乾 厚子・三原 満江・佐々木慶子・平橋 道子
白南風や法如ゆかりの堂一宇 浅川加代子
板倉 年江・今村美智子・北田 啓子・中尾 光子
星のない町に住む児と星祭る 三澤 福泉
大塚 章子・中田美智子
今日夏至の昼の長さを持て余す 小山 禎子
田中せつ子・井上 妙子
八十路には八十路の遊び蛍よぶ 堀いちろう
4点
川口 恭子・深川 隆正・横田 恵
尼寺の読経かすかに沙羅の花 冨士原康子
吉沢ふう子・竹村とく子・竹中 敏子
千言の俗世を離れ竹の花 宇野 晴美
角野 京子・山内 英子
水中花土曜の午後の守衛室 香椎みつゑ
上和田玲子
涼風や四足門ある隠れ里 田中よりこ
播广 義春
老ゆる肌あらはに見せてサンドレス 青木 豊江
鎌田 利弘
発掘する人の動かぬ夏帽子 伊津野 均
本降りの雨を見てゐる燕の子 井村 啓子
3点
河原 まき・髙木 哲也
揺らめける二千の焔山開く 福長 まり
小山 禎子・村川美智子
梅雨寒の駅に人待つ木のベンチ 渡邉眞知子
青木 豊江・片上 信子
アスフアルト地を這う波となる夕立 三原 満江
伊津野 均・宇野 晴美
紫陽花の雨や茶房のひとり席 川口 恭子
髙橋 保博
星月夜しんと一人のカプチイーノ 田中 愛子
中村 克久
薫風や足湯に望む相模湾 播广 義春
高橋 佳子
雨上り万緑の山引き寄せり 中尾 光子
新倉 眞理
香を散らし雨余に摘みゐる青山椒 中川 晴美
杉山 昇
出外に宿場名残の甘酒屋 酒井多加子
布谷 仁美
樹下涼し千利休の屋敷跡 吉井 陽子
小薮 艶子
寝転べば星ふる丘や花蜜柑 榎原 洋子
原田千寿子
木道を歩けば増ゆる水芭蕉 大塚 章子
明易や夢の続きをもう少し 吉村 征子
2点
島津 康弘・松本 葉子
白南風や干したティーシャツ踊り出す 林 雅彦
冨士原康子・榎原 洋子
短冊に小さき願ひ星祭る 中谷恵美子
福長 まり・星私 虎亮
パレットに絵の具遺れる夏の部屋 野村よし子
水谷 道子・中尾 礼子
この地球悲喜こもごもや今日は夏至 高橋 佳子
髙橋美智子・河井 浩志
薫風や田水に写る古刹なり 布谷 仁美
宮田かず子・宇利 和代
編みたての竹籠の青涼しかり 松本 葉子
春名あけみ・光本 弥観
紫陽花や酔うたるやうに雨に揺る 佐々木一夫
櫻井眞砂子・米田 幸子
美術館うつる水面の羊草 角野 京子
糟谷 倫子・渡部 芋丸
あめんぼを見てあめんぼの話する 新倉 眞理
田中 幸子・児島 昌子
子の名ある絵本めくりて夜の秋 志々見久美
斎藤 摂子
麻痺の足伸ばし立つ猫つゆの明 北田 啓子
太田美代子
静けしや猫ともどろむ夏座敷 川尻 節子
奥本 七朗
せせらぎへ半身さらして蛇の衣 福原 正司
原 茂美
父の日の夜は父と子が酒談義 窪田 季男
今村 雅史
しばらくは口に遊べるさくらんぼ 田中まさ惠
寺岡 青甫
青葉木菟もう一声を待つ宿に 平橋 道子
小澤 巖
鮴汁や百万石のおもてなし 寺岡 青甫
小満のパイプオルガンからバッハ 中尾 謙三
どや顔の小さき初生り西瓜なり 大木雄二郎
梅雨晴ややなせたかしの展なごむ 原田千寿子
すべり台を離れぬ子待つ片かげり 上西美枝子
万博に踏み切りのある夏の宵 渡邊 房子
十薬や軒下に干す祖母をふと 西岡みきを
1点
田中 愛子
何処からかゆるりと二階囃子かな 岡田 寛子
山本 創一
葉隠れに石榴の花の二つほど 杉浦 正夫
岡山 裕美
谷川の岩ごつごつと河鹿鳴く 春名あけみ
西岡みきを
紫陽花の葉群に踊る雨滴かな 今村美智子
人見 洋子
十薬の花の囁き四季のうた 長岡 静子
川尻 節子
透き通る心持ちたし若楓 山﨑 尚子
新緑の校舎に朝の鐘が鳴る 武田 風雲
蘆山寺の門に拾へる落し文 冨安トシ子
暮れ方に白を極むる山法師 河原 まき
払暁の新樹雨滴に煌めきぬ 髙松美智子
焦げ跡をあらはに銀杏若葉かな 吉沢ふう子
早苗田のすくすく伸びて米不足 中野 尚志
風立ちて植田に揺るる灯かな 佐々木慶子
ふくよかな仏の耳や杜鵑 深川 隆正
疎ましや混みし電車の梅雨湿り 中村 克久
二人聞く水琴窟の音の涼し 松本すみえ
恵比須顔偲びその名のビール酌む 伊藤たいら
紀三井寺の赤門濡らす墜栗花雨 長浜 保夫
衣更装ふこともへりにけり 大澤 朝子
海の水底まで見ゆる梅雨の朝 近藤登美子
秋立つやしつかり歩む靴を買ふ 糟谷 倫子
滴りの音や幽谷静まりて うすい明笛
ジプロックで漬くる今年の小梅かな 児島 昌子
青蔦の絡む二階家ジャズ流る 岡山 裕美
雨降り来泰山木の花の錆 宇利 和代