隠れ煙草 朝妻 力
十二人揃うていよよ大晦日
我ながら呂律あやしく除夜を酌む
百日もたたずに傘寿年立ちぬ
雲ひとつなき北摂の淑気かな
餌をねだるごと頻き鳴ける初雀
大学生高二中学年新た
丸四角雑煮談義も賑やかに
年玉のしばし行き交ふ朝の卓
集ひしがどつと去にたる三日かな
御慶述ぶ隠れ煙草の店主にも
大二男子の七種粥や瑞々し
喪帰りの傘を鳴らせる冬の雨
今年また同じ畷に冬菫
宇宙史をいま全天に冬銀河
陋屋のカーテン揺らす隙間風
藁屋根にしづりゆるりと太りゆく
明六つの日のまぶしさや春近し