俳句の言葉遣い 動詞、助動詞活用表

 

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「雲の峰」編集室

2003.0708      上二段活用動詞例語訂正

2003.0709      下一段活用動詞例語訂正

2004.0525       レイアウト等一部修正

2004.0816   パソコン辞書の間違いなど追加

2012.0915      係り結び・形容動詞追加

2013.0323  よくある間違い「らる」「る」訂正

2019.1221          夕焼け(動詞)削除

俳句を作る上で注意すべき言葉について解説しました

ミスなど見つかりましたらご連絡下さい。逐次充実を図りたいと思います。

 

    活用表を俳句手帳に貼る手順

@ 左上隅のファイルをクリックし名前をつけて保存を選ぶ

A 名前はそのまま保存場所はマイドキュメントにて保存

B ホームページ画面を閉じる。

C マイドキュメントを開き、保存した画像を開く

D 左上隅のファイルをクリックしMicrosoftWordで編集を選ぶ

E 同じくファイルをクリックし名前をつけて保存を選ぶ

   名前はそのままでも、変えても可

ファイルの種類は、使っているMicrosoftWordの種類を選ぶ

F 以上でマイクロソフトワード文書に変換できました。

G 全体を選び文字サイズを9ポイントにします。

H 同じく縦書き設定にします。

I 必要な部分だけを残してプリントします。

J 以上で、俳句手帳に貼り付けできる大きさになります。

歳時記や手帳に貼ってご活用下さい。

 

内容のご紹介

1 俳句における言葉遣いの基本

2 文法に関する基礎知識

3 活用とは 動詞・形容詞・形容動詞

4 言葉遣い よくある間違い

5 文語動詞活用表

6 文語助動詞活用表

  付表 差別語・不快用語

 

 

.俳句における言葉遣いの基本

 

1 文語で表現する

1 俳句は「や」「かな」「けり」など、文語を多用します。これらに口語がまじると稚拙感が出てしまいます。

 →稚拙感を避け、言語の種類を統一するために文語を使用する。

   口語 話に用いることば。話し言葉。転じて現代語。

   文語 読み書きに用いられることば。文字言語。書きことば。文章語。

      現代の口語に対して、特に平安時代語を基礎として発達・固定した言語、文。

2 動詞の中には、文語と口語とで意味の全く異なる語が多数存在します。例えば

   言葉  文語口語の別 種類    意味  使用例    使用例の意味

   並ぶ  口・文同形  自四    並ぶ  子らが並ぶ  子らが並ぶ

   並べる 口語     他下一   並べる 子らを並べる 子らを並べる

   並ぶ  文語     他下二   並べる 子ら並ぶ   子らを並べる

  ここで口語と文語が混在すると正しい意味が伝わらない危険が出てきます。

 →意味を正しく伝えるために文語に統一する

3 俳句は韻文(いんぶん・一定のリズムを持った文)です。

  字数や語調など、文語で表現した方が韻文らしくなってくれるという特徴があります。

 →散文化を避けるために文語を使用する。

 従って俳句は基本的に文語で表現するということになります。

 

2 歴史的仮名遣いで表記する

文語で表現するばあい、たとえば、

思いけり

などと、「思い」という現代仮名遣いと「けり」という正真正銘の文語が混在しますと、文体の調和という点で明らかに稚拙感がでてしまうからです。

また、「出る」は文語では

出づ  いづ

となりますが、これをうっかり

出ず

と表記したらどうなるでしょうか。読みは「でず」となって、出るの否定形になってしまいます。

本人は出た積りなのに、読者から見ると出ていない……。笑ってますけど、そんな俳句がたまにあるのです。そんな意味で、基本的には文語・歴史的仮名遣いを使うという習慣を身につけましょう。

前述の「並ぶ」の例のように、口語・文語で意味の異なる動詞があります。全体を文語で表記しておりますという意思表示のためにも歴史的仮名遣いを用います。

 

3 正しい音訓を用いる

 俳句は日本の文学でも文芸でもない、俳句国に住んでいる俳句国国民の楽しむ文学であるとすれば、例えば「亡娘」と書いて「コ」とルビを振ったり、魚と書いて「トリ」とルビを振ってもいいのです。

 しかし、日本を代表する短詩形文学の一つであるという立場に立つときには、常に日本語を正しく使い、そして守ることが必要になってきます。日本語の教育について、最近特に物を書く、あるいは古典を理解することについて議論されていますが、俳人はその先頭にたつ、つまり、美しい日本語を守る実践者である、というプライドが必要なように思います。

 ちなみに無理な音訓を幾つかあげてみます。

  夫  △つま  ○おっと

  湖  △うみ  ○みづうみ  ○こ(湖畔など)

  亡夫 ×つま  ×おっと  ○ぼうふ

  亡父 ×ちち  ○ぼうふ

  亡母 ×はは  ○ぼうぼ

  娘  ×こ   ○むすめ

  亡娘 ×こ    正しい読みはないでしょうね……

  句友 ×とも  ○くゆう

  佇  ×た・つ ○たたづ・む ○ちょ(佇立)

  翔  ×た・つ ○か・ける  ○しょう(飛翔)

  掌  ×て   ○てのひら  ○しょう(車掌)

  灯  ×灯り  ○灯(あかし)○明り

 

五十音

あいうえお   アイウエオ    かきくけこ      カキクケコ

さしすせそ   サシスセソ    たちつてと      タチツテト

なにぬねの   ナニヌネノ    はひふへほ      ハヒフヘホ

まみむめも   マミムメモ    やいゆえよ  いゆえ ヤイユエ

らりるれろ   ラリルレロ    わゐうゑを  ゐうゑ ワヰウヱ

ん       ン

 

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.文法に関する基礎知識          以下は大方広辞苑に準じています

 

品詞の種類と働き

名詞   事物の名を表し、また事物を静的にとらえる語。数詞・代名詞を含むこともある

形容詞  用言の一つ。事物の性質・状態・心情等を、その接続的・静態的な属性に着目して表す

     シ活用とシク活用がある。単独で述語となれる   →下段に形容詞活用表

動詞   事物の動作・作用・状態・存在などを表す。四段・上二段・下二段・上一段・下一段

カ行変格・サ行変格・ナ行変格・ラ行変格がある  →下段に動詞活用表

副詞   主として用言および状態を示す体言または他の副詞を修飾する語。

すぐ行くの「すぐ」、およそ3年の「およそ」、もっとゆっくりの「もっと」の類

接続詞  単語・連語・節または文を接続する語。「また」「そうして」の類

感動詞  感動や応答・呼掛けを表す語。「ああ」(感動)、「はい」「いいえ」「おい」の類

助詞   他の語のあとに付いて使われる語のうち、活用しない語

前の語と他の語がどんな関係にあるかを示したり、話し手の心情など一定の意味を添え

たり、文を完結したりなどする働きがある。古くから「てにをは」と呼ばれた。

助動詞  他の語のあとに付いて使われる語のうち活用する語

  男ありけりの「けり」、花散りきの「き」の類   →下段に助動詞活用表

形容動詞 性質・状態を示す点で形容詞と似る。ナリ活用とタリ活用。 →下段に形容動詞活用表

 

体言   活用せず、文の主格となりうる語。名詞・代名詞の総称。

用言   活用をもつ自立語動詞・形容詞・形容動詞。広義には助詞も加える。

連体詞  体言を修飾する機能しかない。 「この」「あらゆる」

代名詞  物事を直接に指示。「これ」「そこ」「かれ」など

 

 

.活用とは

 単語が文中で「その語の機能」や「他の語への続き方」に応じて、語形を体系的に変化すること。

つまり、用言・助動詞の語尾の変化を活用といいます。

活用種類とはたらき

 未然形(みぜんけい)  助詞「ば」を添えて仮定条件を表す形。「花咲かば」の「咲か」の類

             未然……未だ然らず(いまだしからず) の意

 連用形(れんようけい) 用言につながるときの形。「咲き散る」の「咲き」の類

終止形(しゅうしけい)  普通、文の終りに用いる形。「花が咲く」の「咲く」の類

連体形(れんたいけい) 体言につらなるときの形。「咲く花」の「咲く」の類

*体言相当の語としても用いる。

已然形(いぜんけい)  確定条件を表す。「咲けば」の「咲け」の類

            已然……已に然り(すでにしかり) の意

命令形(めいれいけい) 命令の意を表すもの。「早く咲け」の「咲け」の類

 

 言葉の接続 活用形はあとに続く言葉が決まっています

 未然形 ず・ば・む

 連用形 たり・けり・き・ぬ 用言につながります

終止形 接続しません。   言い切りです

連体形 こと・とき     体言につながります

已然形 ども・ど・ば

命令形 接続しません。言い切りです

 

四段活用ってどんな意味??

  用言が活用する際に変化する語末の部分を活用語尾(かつようごび)といいます

  活用語尾がどのように変化するかによって、四段活用とか上二段活用と呼ばれます

  次の例で見てみます

         未然  連用   終止  連体   已然    命令

 言葉の例 思ふ 思ず 思けり 思  思とき 思ども  思

活用語尾     は   ひ    ふ   ふ    へ     へ

 活用語尾の母音                     

 この例ではあ・い・う・えの四段にわたって語尾が変化する   →四段活用

 

         未然  連用   終止  連体   已然    命令

 言葉の例 寄せ 寄ず 寄たり 寄  寄る  寄れども 寄

活用語尾     せ   せ    す   す    す     せ

活用語尾の母音  え   え    う   う    う     え

 この例ではそのの二段にわたって語尾が変化するう →下二段活用

 

 活用形の呼び方をまとめますと下のようになります。

  あ  い  う  え  お   呼称     例

  ○  ○  ○  ○  ―   四段活用   吹く・経つ・刈る……

  ―  ○  ―  ―  ―   上一段活用  る・る・る……

  ―  ○  ○  ―  ―   上二段活用  落つ・老ゆ・伸ぶ……

  ―  ―  ―  ○  ―   下一段活用  るの1語

  ―  ―  ○  ○  ―   下二段活用  受く・捨つ・調ぶ……

ラ ○  ○  ○  ○  ―   ラ行変格活用 居る・有る・侍る…… 

ナ ○  ○  ○  ○  ―   ナ行変格活用 死ぬ・往(い)ぬ の2語

カ ―  ○  ○  ―  ○   カ行変格活用 来(く)の1語

サ ―  ○  ○  ○  ―   さ行変格活用 成す・嫁す・命ず……

 

 辞書を持っていないときに活用が何形かを調べるには、

   簡略には語幹に「ず」をつけてみる。「ず」の前の母音が、アか、イか、エか

   行かず ずの前が「か」母音「あ」 四段活用  あ・い・う・え  で活用する

 生きず ずの前が「き」母音「い」 上二段活用   い・う    で活用

 行けず ずの前が「け」母音「え」 下二段活用     う・え  で活用

 

 自動詞・他動詞による送り仮名の違い

 自動詞 閉づ (上二段) 閉ぢ  閉ぢ  閉づ  閉づる 閉づれ  閉ぢよ

 他動詞 閉ざす(四段)  閉ざさ 閉ざし 閉ざす 閉ざす 閉ざせ  閉ざせ

 

 

形容詞

 品詞のひとつ。事物の性質・状態・心情等を表す語。「く活用」と「しく活用」がある。

          未然  連用   終止  連体    已然  命令   例

      接続  バ・ズ ナル・キ *   トキ・ベシ ドモ  *

 く活用  清け  から  かり   し   き     けれ  かれ   早しなど

              く        かる

 しく活用 著しく しから しかり  し   しき    しけれ しかれ  楽しなど

              しく       しかる

 形容詞の見分け方

正しくは辞書を引くべきですが、単純には物事の状態を表す言葉で、

   ……くある、が成立すれば形容詞   寒くある  明るくある

   終止形が「し」であれば形容詞    寒し    明るし

 

 

形容動詞

 自立語で独立性が強く、活用があり単独で述語になれる用言。

 ・主語になれない

・いと静かなりのように、連帯修飾語を受ける

・文語では「なり活用」と「たり活用」がある。

  静かなり・愉快なり・豊かなり・うららかなり・洞然たり・霏々たり

  堂々たり・蒼滂たり・滂沱たり・燦爛たり・渺々たり・寡黙なり・遙かなり…

 「いと●●なり」「いと●●たり」が成立すれば形容動詞です。

  *広辞苑で品詞の説明のないのは名詞と形容動詞です。

   他は「自五」とか「形」など品詞の説明があります。

   形容動詞かなと思ったら「いと●●なり」「いと●●たり」で確認してください。

形容動詞の活用(参考のために口語の活用も付しておきました)

             未然 連用     終止  連体     已然  命令

         接続  ム  キ・ケリ   *   トキ・コト  ドモ  *

             ズ  ナル・シテ      ベシ  バ

 文語 なり活用 爽やか なら なり・に   なり  なる     なれ  なれ

 同  たり活用 茫々  たら たり・よ   たり  たる     たれ  たれ

 口語 だ活用  静かだ だろ だっ・で・に だ   な      なら  ○

 同  と活用  堂々  ○  と      ○   たる     ○   ○

 

 

.言葉遣い よくある間違い

助動詞 間違いやすい活用

られる られるは口語。文語は「らる}

らる  四段・ナ変・ラ変以外の未然形を受ける。他の場合は「る」

         活用   活用例

     未然形 られ   寄せられず

     連用形 られ   寄せられけり

     終止形 らる   寄せらる

     連体形 らるる  寄せらるる物

     已然形 らるれ  寄せらるれども

     命令形 られよ  寄せられよ

れる  れるは口語。文語は「る}

   四段・ナ変・ラ変の未然形を受ける。他の場合は「らる」

         活用   活用例

     未然形 れ    思はれぬ

     連用形 れ    思はれけり

     終止形 る    思はる

     連体形 るる   思はるるとき

     已然形 るれ   思はるれども

     命令形 れよ   思はれよ

 

ぬ 一 連用形について 完了・継続・強意

    ・完了            夢去りぬ

    ・動作の結果がなお残っている 花散りぬ

    ・陳述を強める        ありぬべし

ぬ 二 未然形について 打ち消しの助動詞「ず」の連用形

    ・尽きせぬ命  行かぬ

 

(過去回想の助動詞)は終止形・連体形・已然形のみに活用する。

    未然  連用  終止  連体  已然  命令

    ー   ―   き   し   しか  ー

    美しかりき・見しが・入りし・止みしかば

 

・助動詞「き」はカ変動詞には特殊な接続をする

 引いて来し…これは終止形。「引いて来き」と、き音の重なりを避ける

 終止形・連体形はきし・こし、已然形はきしか、こしかとなる

・「き」の連体形と已然形はサ変動詞には未然形に接続する。

 旗印せし しるしせよの未然形「しるしせ」に接続  「旗じるししし」を避ける

 ×嫁しし子 ○嫁せし子  ×為ししとき ○為せしとき ×蔵しし書 ○蔵せし書

 

・助動詞テ・タリは終止形には付かず、連用形に付く

 ×咲くて  ○咲きて  ○咲いて    イ音便

 ×惑ふて  ○惑ひて  ○惑うて    ウ音便

 ×死ぬて  ○死にて  ○死んで    撥音便

 ×買ふて  ○買ひて  ○買つて    促音便

 

・「り」は四段の已然形・サ変の未然形につく

  四段  ○咲けり  ○吹けり   ○消せり 已然形に付く

  サ変  ○察せり  ○命ぜり   ○論ぜり 未然形に付く

  下二段 ×初めり  ○初めぬ 「り」は接続できないので「ぬ」など

 

送り仮名・他

・原則として名詞は仮名を送らず、動詞には送る。

 但し例外が多数あり。季語の場合は歳時記に従い、それ以外は国語辞書に準拠。

 飾(名詞)・飾り(動詞) 祭(名詞)・祭り(動詞)

・向かふ(動詞) 名詞の場合は、向かう・向う・川向かう

 

連体形の送り仮名の誤り 「る」を抜いてしまう誤り

 ×老ゆ父  ○老ゆる父   ×投ぐパン ○投ぐるパン

 ×生く母  ○生くる母   ×出づ月 ○出づる月  ×閉づ瞳  ○閉づる瞳

連体形の送り仮名の誤り 「ら」抜きの誤り

 ×見れる ○見られる    ×食べれる ○食べられる

 

係り結び

係助詞によって強調された(係り)場合に、述部の最後尾要素が呼応して特定の活用形に決まる(結び)という文法規則。文意の強調や疑問の意味を持たせたりする。

 係助詞  活用形

  係り   結び   例

  は  → 終止形  雲は白き。紫。黒きもをかし

  も  → 終止形  雲は白き。紫。黒きもをかし

  ぞ  → 連体形  音ぞ聞こゆる・雪ぞ降りける

  なむ → 連体形  みやつことなむいひける

  や  → 連体形  蓑・笠やある・聞き給ふや

  か  → 連体形  いづれか歌を詠まざりける

  こそ → 已然形  今こそ分れめ

 

 

.文語動詞活用表

        未然 連用 終止 連体 已然 命令

     接続 ム  タリ *  コト ドモ *

        バ  ケリ    トキ ド

        ズ  キ・ヌ      バ     動詞の例

四段 カ 行く か  き  く  く  け  け  吹く・歩く・咲く・聞く

   ガ 泳ぐ が  ぎ  ぐ  ぐ  げ  げ  漕ぐ・急ぐ・脱ぐ・研ぐ

   サ 押す さ  し  す  す  せ  せ  消す・押す・越す・起こす

   タ 打つ た  ち  つ  つ  て  て  立つ・保つ・持つ・放つ

   ハ 思ふ は  ひ  ふ  ふ  へ  へ  歌ふ・言ふ・払ふ

   バ 飛ぶ ば  び  ぶ  ぶ  べ  べ  運ぶ・学ぶ・喜ぶ・浮かぶ

   マ 飲む ま  み  む  む  め  め  編む・勇む・進む・望む

   ラ 乗る ら  り  る  る  れ  れ  刈る・光る・取る・走る

ラ変格ラ 居り ら  り  り  る  れ  れ  有り・侍り

ナ変格ナ 死ぬ な  に  ぬ  ぬる ぬれ ね  死ぬ・往ぬ

上一段カ (着)き  き  きる きる きれ きよ 

   ナ (似)に  に  にる にる にれ によ 煮る

   ハ (干)ひ  ひ  ひる ひる ひれ ひよ 簸る・嚏る・放(ひ)る

   マ (見)み  み  みる みる みれ みよ 試みる・鑑みる・顧みる・惟みる

   ヤ (射)い  い  いる いる いれ いよ 煎る・鋳る・炒る・沃る

   ワ (居)ゐ  ゐ  ゐる ゐる ゐる ゐよ 居・率・用

上二段カ 生く き  き  く  くる くれ きよ 起く・尽く

   ガ 過ぐ ぎ  ぎ  ぐ  ぐる ぐれ ぎよ

   タ 落つ ち  ち  つ  つる つれ ちよ 朽つ・満つ

   ダ 恥づ ぢ  ぢ  づ  づる づれ ぢよ 閉づ・綴づ

   ハ 生ふ ひ  ひ  ふ  ふる ふれ ひよ 強ふ・恋ふ・用ふ

   バ 伸ぶ び  び  ぶ  ぶる ぶれ びよ 滅ぶ・帯ぶ

   マ 染む み  み  む  むる むれ みよ 試む・恨む

   ヤ 老ゆ い  い  ゆ  ゆる ゆれ いよ 報ゆ・悔ゆ

   ラ 下る り  り  る  るる るれ りよ 懲る

下一段カ 蹴る け  け  ける ける けれ けよ 蹴る の一語

下二段ア (得)え  え  う  うる うれ えよ 心得ウる

   カ 受く け  け  く  くる くれ けよ 授く・分く・駈く・続く

   カ 焼け け  け  く  くる くれ けよ 他動詞の例

   ガ 上げ げ  げ  ぐ  ぐる ぐれ げよ 遂げ・防ぐ・下げ・曲げ

   サ 寄す せ  せ  す  する すれ せよ 見す・伏す・寄す・任す

   ザ 交ず ぜ  ぜ  ず  ずる ずれ ぜよ 爆ず・交ず

   タ 捨つ て  て  つ  つる つれ てよ 育つ・立つ

   ヅ 出づ で  で  づ  づる づれ でよ 愛づ・撫づ

   ナ 尋ぬ ね  ね  ぬ  ぬる ぬれ ねよ 兼ぬ・重ぬ・連ぬ・損ぬ

   ハ (経)へ  へ  ふ  ふる ふれ へよ 終ふ・考ふ・数ふ・与ふ

   バ 調べ べ  べ  ぶ  ぶる ぶれ べよ 食ぶ・並ぶ・述ぶ・比ぶ

   マ 止む め  め  む  むる むれ めよ 染む・改む・進む・初ソむ

   ヤ 越ゆ え  え  ゆ  ゆる ゆれ えよ 覚ゆ・消ゆ・燃ゆ・殖ゆ

   ラ 晴る れ  れ  る  るる るれ れよ 溢る・恐る・暮る・隠る

   ラ さる れ  れ  る  るる るれ れよ サ変「す」の受身

   ワ 植う ゑ  ゑ  う  うる うれ ゑよ 植う・据う・飢うの三語

カ変格カ (来)こ  き  く  くる くれ こよ 来の一語

サ変格サ (為)せ  し  す  する すれ せよ 為す・嫁す・蔵す

   サ 察す せ  し  す  する すれ せよ 命ず・応ず

     ( )は語幹と活用語尾の区別がない

 

 

.文語助動詞活用表

 

働き  語   未然  連用   終止  連体   已然    命令   接 続

自発  る   れ   れ    る   るる   るれ   (れよ)  未然 四・ナ・ラ

可能  ゆ   え   え    ゆ   ゆる   ゆれ   (えよ)  未然 四・ナ・ラ

受身  らる  られ  られ   らる  らるる  らるれ  (られよ) 未然 上以外

    らゆ  らえ  らえ   らゆ  らゆる  らゆれ  (らえよ) 未然 上以外

 

使役  す   せ   せ    す   する   すれ    せよ   未然 四・ナ・ラ

    さす  させ  させ   さす  さする  さすれ   させよ  未然 上以外

    しむ  しめ  しめ   しむ  しむる  しむれ   しめよ  未然

 

否定  ず   ○   ず    ず   ぬ    ね     ○    未然

    ざり  ざら  ざり   ○   ざる   ざれ    ざれ   未然

 

存続  ぬ   な   に    ぬ   ぬる   ぬれ    ね    連用

完了  つ   て   て    つ   つる   つれ    てよ   連用

    たり  たら  たり   たり  たる   たれ    たれ   連用

    り   ら   り    り   る    れ     れ    四段命令 サ未然

 

回想  き   せ   ○    き   し    しか    ○    連用

    けり (けら) ○    けり  ける   けれ    ○    連用

    けむ  ○   ○    けむ  けむ   けめ    ○    連用

 

指定  なり  なら  なり   なり  なる   なれ    なれ   連体・体言

            に

    たり  たら  たり   たり  たる   たれ    たれ   体言

            と

尊敬  る   れ   れ    る   るる   るれ    れよ   未然 四・ナ・ラ

    らる  られ  られ   らる  らるる  らるれ   られよ  未然 上以外

    す   さ   し    す   す    せ     せ    未然 四サ

    す   せ   せ    す   する   すれ    せよ   未然 四ナラ

    さす  させ  させ   さす  さする  さすれ   させよ  未然 上以外

    しむ  しめ  しめ   しむ  しむる  しむれ   しめよ  未然

    給ふ  は   ひ    ふ   ふ    へ     へ    連用

 

謙譲  給ふ  へ   へ    ふ   ふ    ふれ    ○    連用

丁寧  はべり ら   り    り   る    れ     れ    連用

希求  たし  ○   たく   たし  たき   たけれ   ○    連用

    まほし ○   まほしく まほし まほしき まほしけれ ○    未然

 

推量  む   ○   ○    む   む    め     ○    未然

    むず  ○   ○    むず  むずる  むずれ   ○    未然

らむ  ○   ○    らむ  らむ   らめ    ○    終止 ラは連体

    らし  ○   ○    らし  らし   らし    ○    終止 ラは連体

        ○   ○    ○   らしき  ○     ○    終止 ラは連体

    まし  ませ  ○    まし  まし   ましか   ○    未然

    べし  ○   べく   べし  べき   べけれ   ○    終止 ラは連体

    べかり べから べかり  ○   べかる  ○     ○    終止 ラは連体

    まじ  ○   まじく  まじ  まじき  まじか   ○    終止 ラは連体

    ましじ ○   ○    ましじ ましじき ○     ○    終止 ラは連体

    じ   ○   ○    じ   じ    じ     ○    未然

    めり  ○   めり   めり  める   めれ    ○    終止 ラは連体

    なり  ○   なり   なり  なる   なれ    ○    終止

 

 

付表

差別語・不快用語抜粋  共同通信社「記者ハンドブック」より抜粋

 以下の言葉は聞いた人の心の痛みを伴いがちです。使わないようにしましょう。俳句では例えば「渡り漁夫」という季語がありますが、これらも意識して避けたいものです。

 

▽心身の障害、病気

 めくら・おし・つんぼ・びっこ、ちんば、いざり・気違い・どもり・不具・かたわ

 文盲・文盲率・色盲・やぶにらみ・ヨイヨイ・植物人間・知恵遅れ・つんぼ桟敷

 めくら判・白ろう病・らい病・片目があいた・アル中

▽職業(職種)など

 屠殺場・女工・人夫・土方、土工・飯場・馬丁・掃除夫(婦)・百姓・農夫・農婦

 漁夫・沖仲仕・潜水夫・炭鉱夫・踏切番・線路工夫・女給・女中・床屋・産婆

 町医者・どさ回り・坊主・犬取り・犬殺し・小使い・用務員・あんま・バタ屋

 労務者・浮浪者・浮浪児

▽身分など

 特殊部落・部落・めかけ・二号・娼婦・出戻り

▽人種、民族、地域など

外人・黒人兵・土人・酋長

 アイヌ人 初出アイヌ民族。アイヌは人間の意。アイヌの人、アイヌ犬は使わない。

 ジプシー(比ゆ的には使わない。「ジプシー音楽」は別)

 後進国・未開国・低開発国

 第三国(人)・朝鮮人、中国人を意味する「第三国(人)」は使わない。

 裏日本・表日本・京城

▽性差別

 女流・女史

▽その他

 かん婦、いん売、しょう婦、鬼のような夫婦・強かん・ドヤ(街)・オトす・たこ部屋

 足切り・養老院・スキンヘッド・シラミつぶし・ずらかる・いちゃもんをつける

 片肺飛行ガンをつける・ケツをまくる・賊・町のダニ・暴力団狩り・カーキチ

 

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